求人検索
投稿:2020.07.15

さつきでリハ職として働くということ

さつきホームクリニックで訪問リハビリテーションを行っている「さつき訪問リハビリステーション」には、現在、理学療法士2名と作業療法士1名(言語聴覚士も入職予定)がいます。

2019年5月の開所以来、医師や看護師とともに「ご自宅で過ごす」選択をされた患者様の暮らしをより良いものにできるよう、日々奮闘中です。

今回は、そんなリハビリテーションスタッフに「さつきでリハ職として働くということ」をテーマに色々とトークしてもらいました。
「なぜさつきを選んだのか?」 「実際に働いてみて感じたことは?」
セラピストならではの患者さまとの関わり方や大切にしていることが見えてきました。

メンバー紹介


水沼史明 (みずぬまふみあき):左
JCHOうつのみや病院で急性期病棟・回復期リハビリテーション病棟・通所リハビリテーション・介護老人保健施設等を経験。訪問看護ステーションえすぽを経てさつき訪問リハビリステーション所長に。趣味は美味しいものを食べながら美味しいお酒を飲むこと。

池澤俊光(いけざわとしみつ):中央
回復期リハビリテーション病棟、老人保健施設(デイ・一般・認知症病棟)での経験から在宅での関わりの必要性を感じ訪問看護ステーションへ。その後さつき訪問リハビリステーション初の作業療法士として入職。好きな食べ物は”もやし”。

星裕章(ほしひろあき):右
日光野口病院で療養病棟を経験。日光市初の回復期リハビリテーション病棟では理学療法部門のマネージャーに。その後今市病院では急性期病棟・リハビリテーション部門の主任となる。退院後の生活にセラピストが関わることが重要であると感じ、さつきへの転職を決意。座右の銘は「情けは人の為ならず」。

「さつきホームクリニック」で働くことを選んだ理由(ワケ)

―そもそも、なぜ『訪問リハビリテーション』を選んだの?

星:病院で働いていた時は患者さまの「退院」が一つのゴールでしたが、実際は、入院は一時的なものなのでその先の暮らしの方が大事だと感じていました。病院では昼間のいい状態しか見られなくて、どのように生活しているのかは分からないので…。

池澤:患者さまの人生を考えると、病院で過ごす時間よりその先の方が圧倒的に長い。笑顔で楽しく過ごしていただくためには、訪問リハビリテーションが必要だと思いました。
患者さまとご家族さまが家でどのように過ごされているのか、近所の方とどのように関わっているのかなどを見た上で、うまく周囲を巻き込みながら、生活の幅を広げるような支援に繋げられますよね。

―入職前に感じた『さつきホームクリニックの魅力』は?

水沼:2人とも、入職前に見学をしたよね。

池澤:はい。見学した時に月永先生を始めとする医師と看護師、他のスタッフとの距離感の近さがとても魅力的で。診療同行させてもらった時は、ある患者さまに対して「また庭仕事・植木の手入れをやれたら良いね」とその方の生活歴や家庭環境に配慮した診療をしている様子がとても心に残りました。

星:月永先生と話せて、その熱意や行動力、人柄に感銘を受けました。あとスタッフの雰囲気がとても良かったです。職種問わずチーム一丸で医療・支援を行っている姿を見て、自分がリハビリテーションに携わる上で大切にしてきた『相手のための関わり』ができる環境がここにはある、と思いました。

―入職の決め手は?

星:クリニックとして成長するスピードが早く、フットワークが軽いことです。職種ごとに色々な視点があるけれどチームとして動いていて、それぞれが「患者さまのためにどうしたらいいか」を一番に考えられる環境が良いなと思いました。

池澤:在宅医療の需要の高さと、自分が成長できる環境があると思ったこと医師に「生活のことだからPTOTに(診てもらおうよ)」と言ってもらえるくらい、リハビリテーションへの理解があると感じたことです。

星:確かに、退院後すぐの診療に医師や看護師とともに同行させてもらえるので、その場で相談しながらリハビリテーションの評価ができます。職種が違うことによるタイムラグがなく、より質の高い支援につなげられると思います。

実際に働いてみたら●●だった

―病院でのリハビリと訪問リハビリの違い

水沼:星は訪問リハビリ未経験で入職したけど、病院との違いは感じた?

星:病院では患者さまと視点を合わせたり、本音をお聞きしたりするのが難しいと感じる部分もあったけど、訪問は「お宅に伺わせていただく」という感じなので、ご家族さまとどういったコミュニケーションをとっているのか、どんな環境で生活されているのかを見ることで、本当の想いをお聞きしやすいのかな、と思います。

訪問リハビリで患者さまと

水沼:僕らセラピストが行くことで、患者さまやご家族さまの希望になるという部分はあるよね。少しでも力がつくとか、少しでも歩けるようになるとか…何かを良い方向に変えられる可能性があるというか。

池澤:「病院でできることがないよ」となって帰ってこられた方でも、生活の質を上げていくことはできますよね。クッションの入れ方だったり、楽な姿勢のとり方だったり…。
印象深かったのは、末期がんの方の「奥さまと近所に桜を見に行きたい」という願いを叶えられたことです。看護師さんにも協力してもらって、リクライニング車椅子を使うことでお花見を実現できました。奥さまに本当に喜んでいただけて…。とても心に残っています。

星:患者さまだけじゃなくて、ご家族さまとも状況を共有していけるのも良いですね。支援以外の時間をどのように過ごしているのかお伺いしたり、生活のアドバイスをしたりしやすいです。精神面でも支えられたらと思います。

ご家族さまとのコミュニケーション

それと、患者さまに対して主担当以外のセラピストが伺う機会を作るようにしているので、自分一人で患者さまのすべてを診るのではなくて、多角的な視点で診ていける安心感もあって。水沼さんから生活環境も含めた視点からのアドバイスをいただいたり、池澤さんからは作業療法士としての意見をいただいたりしています。

―クリニックのスタッフの雰囲気は?

星:スタッフのみなさんが優しいです。職種の壁みたいなものがなくて、フラットに患者さまのことを話したり世間話をしたり、とにかくみんなの笑顔が多いし、メリハリがあって働きやすいと感じています。まだ3カ月足らずですが、入職して本当に良かったです。

月永理事長とリハスタッフ

池澤:先生がフランクに話しかけてくださる事もあり、突然笑わされる事が多くあります(笑)。私が冗談を言った時は、ちゃんとツッコミを入れてくれる優しさがあります! 看護師さんも気軽に相談に乗ってくださいますし、事務や管理部、連携室のスタッフの皆さんとも話をする機会は多いですね。

水沼:そうは言っても、医師に相談する時は緊張したんじゃない?

池澤&星:ものすごく(緊張)しました!!(笑)

星:入職してすぐに患者さまのことで先生に相談した時、「なんでそんな緊張してるの?」って笑ってくれて緊張がほぐれました。常勤で7名の先生がいらっしゃいますが、どの先生からもプレッシャーのようなものは感じません。

池澤:どの先生も、話しかけると自分の仕事中でも手を止めて話を聞いてくださるくらいです。先生方から「この方、訪問リハどうかな? ちょっと動作見て欲しい」とか「家の環境を整えれば安全に動けそうなんだけどどうかな?」とか、リハの必要性を感じて話しかけてくださる事が多いので、今は気がねなく相談出来ています。

―職種を超えたチームワークについて

池澤:スタッフは職種を問わず常に課題は何かを考え、患者さまやご家族さまの想いや背景を意識した支援をしていると思います。医療行為だけでなく、この先の生活を踏まえてどんな手段や環境があるのかといった提案など、先を見越してのマネジメントが、医師のみでなく看護師やMSW等、みんなに根付いていると感じています。

星:訪問リハビリテーションでは他職種連携が課題になることも多いと思いますが、同じチーム内にいるので距離感が近く、迅速に対応ができていると思います。そのおかげで支援の必要性が高い方に対して、スムーズな評価と導入が可能なことも魅力です。

池澤:確かに。身体能力や生活動作のこととか、何か困ったらリハスタッフにすぐ相談してくれるので嬉しいです。
あと、病状によって支援に入るのが難しいケースでも、先生が医療的な視点から「大丈夫だよ」と言ってくれるだけで安心できます。

仕事内容について

―1日のタイムスケジュールを教えてください!

星:リハチームで軽く打合せしてから朝の3分間ストレッチ。看護部カンファレンスに参加した後、医師・看護師・他職種が集まる全体カンファレンス。

朝の全体カンファレンスの様子

ここで前日と当日の患者さま、利用者さまの情報共有をします。例えば新規の方の紹介や状態変化のあった方の病状説明、介護保険サービスとして何を選択したら良いか、治療方針などですかね。

池澤:そう。患者さまやご家族さまの想いを踏まえてチームとしてどうしていこうか? という議論が本当に多いと思います。相談されたり意見を求められたりすることも多いです。全体カンファの後にはリハカンファで情報共有も行い、最近の変化や課題等を相談してチームで解決策を見出せるようにしています。

そのあと、午前と午後に支援に訪問しています。移動は自動車や超小型モビリティで。1件あたりの支援時間は40~60分が多いです。1日の訪問件数は3~5件くらいです。
一人ひとりにiPadが支給されているので、出先でも電子カルテに記入したり、ご家族さまに介護用品の資料をお見せしたりできます。
連絡にはLINEWORKSを使っていて、医師や看護師をはじめクリニックの誰とでも気軽に連絡を取り合えるのが便利。こういった所でも情報共有が早いです。

昼休みや午後の訪問後の空いている時間に、ケアマネジャーや外部事業所と連絡をしたり、医師や看護師に相談したりします。

水沼:院内でも院外でもコミュニケーションがすごく大切だよね。

星:はい。他職種とのコミュニケーション、情報共有が本当に大事だなと改めて感じています。医師や看護師から相談があった患者さま宅に訪問して、支援の必要性を評価することも多いです。逆に、リハとして気になった患者さまがいたら、こちらから同行しても良いか相談することもありますね。「この患者さまは、こういう理由で訪問リハ入った方が良いかもしれないです」って。
あと月永先生が「無理に単位を取ることは絶対にしないで! サービスでも良いからその人のためにできることをどんどんやって!」と言ってくれるので、すごく動きやすいです。

池澤:月永先生がそう言ってくれているのは本当にありがたいです。個ではなくチームで支援しているという意識を強く感じますね。過不足ない支援につながると思います。私が当事者、家族の立場だったらすごく嬉しいです。

―福利厚生について

星:書籍購入費(月額3,000円)があるので、毎月関連書籍を買ってます。研修や学会の参加費補助もあるし。

池澤:PTやOTの協会年会費が全額補助なのも嬉しい!

ユニフォームはロゴ入りポロシャツとパタゴニアのジャケット支給。もれなく似顔絵付きの名刺もついてきます (*´꒳`*)

これから

―2人がこれからやりたいことや実現したいことは?

星:これから、より重要になる「予防事業」を行っていきたいですね。私は日光出身なので、いつかは日光の地域医療に携わっていきたいとも思っています。月永先生にも私の思いを伝えていて、快く話を聞いてくれて嬉しかったです。

池澤:まずは患者さまやご家族さまへ還元できるような現状の判断力・対応力、人的・物的状況に合わせての応用力や実行力をもっと身につけたいですね。さつきの作業療法士として、地域の作業療法士として、一人の作業療法士として、何ができるのか今は改めて模索しています…(笑)。
人間性の豊かさ≒作業療法士としての豊かさと考えているので、まずは日々精進します! 地域の架け橋として、さつきホームクリニック、さつき訪問リハビリステーションを盛り上げていきたいです。

水沼:そのためにも、さつきのリハチームの人数をもっと増やしてより良いチームにしていきたいね!  セラピストが患者さまのためにできることは、まだまだたくさんあるから。

2020年7月15日公開 文章・編集・撮影 広報 藤井弥恵

この記事をシェアする