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投稿:2020.10.01

パパになったら育休とろう!~男性の育児休暇~

さつきホームクリニックは、全スタッフの実に7割近くが子育て中のパパやママ。

まだ開院して4年ということもあり、今までに産休・育休を取得したスタッフはいませんでしたが、この度、めでたく第二子がお生まれになった理学療法士の加藤さんが当院初となる男性の育児休暇を取りました。

男性が育休をとるのは難しい? とってみて良かったことは?

「育休をとるのは初めてだった」という加藤さんに、同じく理学療法士の水沼さんと、人事の仁平さんと一緒に、育休取得について色々と語っていただきました!

左から人事:仁平さん(10歳男子と7歳女子のママ)、理学療法士:加藤さん(2歳男子と0歳男子のパパ)、理学療法士(さつき訪問リハビリステーション所長):水沼さん

一度は断った育児休暇

※イメージです

―2人目のお子さんが産まれたタイミングで育休を取得。取得を決めたきっかけは?

加藤:上司に子どもが産まれることを報告したら「育児休暇制度があるけど、とる?」というお話があって。最初は僕は「いや、いいです」って断ったんですね。育休中は収入も減りますし、実際にとった実績もないから不安だなというのもありましたし。

でも、あらためて上司から「せっかくだから(育休を)とってみたら?」と勧めていただいたのと、妻にも相談したら「できるならとってほしい」と言われて。

最初は1~2週間位の短い期間で考えていたんですけど、『友達の所は1カ月間くらいはとったらしい』という妻からの話もあり、1カ月間とらせていただくことになりました。

水沼:これから育休をとる可能性がある男性陣のことも考えると、やっぱり前例があった方がこのあとも取りやすくなるかな、という思いがあったので、今回加藤君が育休をとるというのを聞いて「いくらでもフォローするよ」っていう気持ちでした。

僕も去年入職するときに事務長から、「男性も育休は積極的にとってほしい」と言われていたので、違和感はなかったですね。今は共働きの家族も多いし、男性も育休をとりやすいことはすごく大事なんじゃないかなと思います。

育児休暇に入るまで

―必要な事務手続きは?

仁平:育休に入る前は、事前に必要な書類をいくつか提出してもらいます。あとは、産まれた後に市町から印鑑を押してもらった母子手帳のコピーを提出してもらうだけ。当院は業務でLINEWORKSを使っているので、加藤さんには母子手帳の写真を撮ってLINEWORKSで送ってもらいました。

加藤:難しい手続きなどは何も無かったので、逆にいいのかな…と思うくらいでした。

仁平:加藤さんは、夏季休暇とあわせて出産予定日の何日か前からお休みをとられたんですよね。

加藤:はい。ちょうど夏季休暇がとれる時期だったので、いつ産まれてもすぐに対応できるようにしました。職場でもそうできるように調整していただいて…。

水沼:収入はどれくらいになるんですか?

仁平:1カ月間の給与の2/3ですね。

―業務の事前調整はどのように進めましたか?

加藤:育休に入るまでに、担当している利用者さまを他のスタッフに引き継いでいきました。自分が育休をとることに対して利用者さまからどういう反応がでるのか不安でしたが、説明をさせていただくと意外にも利用者さまの反応も良好で。『男性が育休をとる』という認知が広がりつつあるのかな、と感じました。

―引継ぎを受ける側としてはどんな準備をしましたか?

水沼:リハのスタッフと一緒に、「じゃあこの利用者さまはここに振り替えようか」とか「誰がフォローしようか」とか、みんなで一緒にスケジュールを考えていった感じで。

加藤君が言ったように、利用者様もすごく理解があって、多少の日程変更も快く受けてくださったんで、そんなにスケジュールの調整は大変じゃなかったかなと思います。

―同じチームで働くスタッフの反応は?

水沼:確かに一人あたりの訪問件数はちょっと増えて忙しくはなるんですけど、他の人も子育て世代だったり、今後自分も(育休を)とるかもしれないっていうのもあったりするので。すごいみんな快く受け入れてフォローを頑張ってくれたので、そんなに大変ではなかったです。

育児休暇に入ってみて…

―1カ月間の育休はどうでしたか?

加藤:世の中のお母さん偉大だなって思います!(笑)。一言でいうとそれです。1カ月っていう短い期間だったんですけど長く感じましたし、体重が5kg減るくらい大変だったんですよ。

授乳があるので夜は基本的には妻にまかせていたんですけど、疲れが溜まった時は、自分が夜中にミルクで対応して…。3時間おきにあげるのは、やっぱり大変でした。日中は長男の遊び相手になりつつ、次男にミルクをあげてオムツもかえて…。

お子さんと一緒に

自分が育休をとっている間は、長男に次男を受け入れてもらうためにも、長男は保育園に行かせませんでした。長男が赤ちゃん返りしたり、やきもちを焼いていじけたりしちゃうんじゃないかっていう心配もあったので。はじめから一緒に生活しながら、家族なんだよっていう想いを大切にしたいと考えていました。

―それって育休じゃないとできなかったことですよね

加藤:育休とらなかったら絶対に無理だったことですね。実際に、長男は赤ちゃん返りとかしなくて、「ねんねしな」とか「かわいいね」とか、次男をうまくあやすような仕草を見せることもあるくらいで。これは育休の最大のメリットなのかなと思いました。

水沼:こういう話を聞くと、やっぱり今後(男性の育休は)増えそうですね。近くに両親がいないなど周囲からのサポートを受けるのが難しい家庭は、より男性の育休が必要なのかもしれない。

加藤:うちの場合も、全くサポートが無いわけではないけど、基本的に夫婦二人で対応しなきゃいけないことはたくさんあります。
育休をとってみて、正直1カ月じゃ短いくらいだと思いました。3カ月くらいあったら、本当に余裕があったんだろうなと。

―ご家族からどんな言葉がありましたか?

加藤:1カ月という中でも、妻からは「助かった」と言ってもらえました。まとめて睡眠時間がとれたのが良かったようで。あとは、育児についてちょっと調べものをする時間がとれたりとか。精神的にも肉体的にも余裕があったっていう感じのコメントをもらいましたね。

長男の時は育休をとらなかったので、自分が朝「じゃあ仕事行ってくるね」というのも、すごい後ろ髪引かれるような感じだったんです。

―加藤さんが抜けていた間、現場はどうでしたか?

水沼:加藤君がみんなにきちんと引き継いでくれていたのと、加藤君のリーダーとしての役割も他のスタッフが分担してやれていたので、大きなトラブルとかはありませんでした。

仁平:戻ってくる時期が分かっているので、「みんなでそれまで頑張ろう」みたいな一致団結感は出たかもしれないですね。何かあっても「加藤さんが戻ってくるまでは」みたいな。

育児休暇からの復帰

―仕事に戻ってみてどうですか?

加藤:生活リズムがすごく狂っていたので最初はきつかったんですけど、利用者さまから「生まれたんだね」と声をかけてもらえたり、スタッフからお祝いの言葉をいただいたりして。そういった言葉から頑張れるための力というか勇気をもらいましたね。

利用者さまの申し送りもすごくスムーズに行ってくれたので、そういう意味では仕事に戻ってからのストレスは全然無かったです。

1カ月間も臨床を離れていた経験がないので、ちょっと不安ではあったんですけど、みなさんが協力してくださったおかげで辛くはなかったかなと思います。

―あらためて育休取得を振り返ってみると

加藤:育休中に育児をひと通り経験しているので、仕事が始まってからもスムーズに妻のサポートができるのがすごくいいなと思います。仕事と並行して、イチから教えてもらいながら育児をするのは難しいので。

あとは、『家庭を大事にしてもらえるいい勤務先だ』って妻に分かってもらえたかな、と。

水沼:家庭と仕事を両立できないと、やっぱり長くは働いてもらえないと思います。まだ若い組織なので、今のうちから男性でも育休がとりやすい、子育てがしやすい、といった雰囲気は出していきたいですよね。

仁平:そうですね。

―インタビュー終わり―

さつきが男性の育児休暇取得を勧める理由

当院では、育児休暇を取得することが生活の大変さや家族の在り方を見つめ直すいい経験になるとし、男性の育児休暇取得を推進しています。

育児や家事などを通し、生活者としてしっかりとした視点を持つことは、患者さまの生活を診る「在宅サービス提供者」として重要なことだと考えるからです。

「男性だから」「女性だから」という枠や家族の形にとらわれず、誰もが自分らしいキャリアを積んでゆける組織づくりのために、これからも尽力していきます。

2020年10月1日公開 文章・編集・撮影 広報 藤井弥恵

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